キャンピングカーのバリエーション
「キャンピングカー」とひとくちに言っても、その種類はさまざまです。車体の大きさ、形状、設備なども多様ですし、一般的にはキャンピングカーの構造や、ベース 車両などから、いくつかの種類に分類されます。価格も 200 万円台のものから 1000 万円を超えるものまでと、価格帯もかなり幅広くなっています。駐車スペースは? どのくらいの頻度で乗る?どのくらいの期間?何人で?どのような楽しみ方をしたい?など、自身のニーズによって選ぶべきキャンピングカーの種類は変わってきま す。そんな想像を巡らす時間は楽しいもの。ぜひキャンピングカーで各地を旅している姿を思い浮かべながら、自問自答してみましょう。
軽キャンピングカー
「軽キャンピングカー」は、乗車人数 4 人以下の軽自動車(ワゴン、バン、軽トラックなど)をベースにしたキャンピングカーで、「軽キャンパー」とも呼ばれます。 具体的な車種でいえば、「日産・クリッパー」、「スズキ・エブリィ」、「ホンダ・N-BOX」などなど。乗車定員はほとんどの場合 4 人ですが、就寝定員は 2 人までと限ら れている場合が多いです。ただし、モデルによっては 4 人まで就寝できることもあります。 ボディがコンパクトで、小回りも利くので、少人数でのキャンプ、登山、 釣りなどのアウトドアを想定した使い方を想定している場合、その機動力で大活躍してくれるはずです。車両価格、維持費などのランニングコストが比較的安く抑えら れることから、キャンピングカーライフに踏み入れる際の入門車としても人気です。軽キャンパーは、装備内容によって販売価格が違うのはもちろん、装着されるナン バーの種類も変わります。結果として、年間に掛かる維持費も若干異なってきます。本来特殊な用途に使用される車両のため、キャンピングカーには”8 ナンバー”が付 けられますが、大まかに「軽キャンパー」というくくりにすると”4 ナンバー”や”5 ナンバー”の車両も存在します。例えば軽自動車税でいうと、8 ナンバー:1 年間で 21,600 円、4 ナンバー:10,000 円、5 ナンバー:21,600 円がかかります。
バスコン
「バスコン」とは、”バスコンバージョン”の略で、主にバス、マイクロバスをベースにしてキャンピングカーならではの生活設備を搭載させたタイプのキャンピングカ ーになります。恐らく一般的に「キャンピングカー」を想像した場合、この「バスコン」、もしくは次にご紹介する「キャブコン」が頭に浮かぶはずです。最も大きいタ イプのキャンピングカーで、多くの人の憧れの的になる種類です。車内は立って歩き回れるほどの高さがあり、そして広く、大型冷蔵庫や、大容量のサブバッテリー、 ダイニング、ベッドなど、快適性が追求された豪華な内装となっています。その大きさから、一見運転が難しそうですが、意外と小回りが利き、走行性能の高さには目 を見張るものがあります。ベース車両は人を快適に乗せて走ることを前提に製造されたバスなので、乗り心地も良いです。乗車定員は 10 人まで、就寝定員は 6 人とい うのが一般的。価格は新車で 1,000 万円超えと非常に高額です。エンジンの排気量サイズで決められる自動車税も高くなり、エンジンは排気量が大きくパワフルですが 燃費もあまりよくありません。懐事情、経済的に余裕がないと、”所持する”というのはかなりハードルが高い車です。
キャブコン
「キャブコン」とは、”キャブコンバージョン”の略です。ベースとなる車両はトラックで、コクピット上部が大きく張り出したフォルムが特徴的です。”最もキャンピン グカーらしい、キャンピングカー”が、このキャブコンタイプです。車内の居住空間は広く、装飾、インテリアの自由度の高さがあります。運転席の上にはバンクヘッ ド、ダイネットが取り付けられており、楽しく遊ぶこともできます。天井も十分な高さがあり、大人もかがむことなく車内を移動できるようになっています。収納スペ ースも多く、大人数での利用に適しており、断熱性や防音性にも富んでいるのが魅力です。その一方、駐車できる場所が限られたり、背の高さもあるためトンネル等走 れない場合もあります。車体が重いので、走行時のスピードには配慮する必要があります。また、キャブコンは内装設備などのバリエーションが多いため、高額になり がちです。車内での快適性を求めるほど高額になるため、予算やニーズに合わせて選ぶ必要があります。
トレーラー
エンジンを搭載しており自走できる一般的なキャンピングカーと違い、自走できないのが”トレーラー”です。車体の真ん中辺りにタイヤが取り付けられており、別の車 で牽引して移動させる形をとります。魅力はやはりその居住空間の広さで、ソファや机などを配置したり、間取りの自由度が高いことが挙げられます。もちろん車との 切り離しが可能なので、宿泊先でトレーラーだけ切り離して、車だけで移動するということも可能です。意外なのが小回りが利くという点で、カーブで大きく膨らみな がら曲がる必要もなく、狭い路地、畦道などでも走行が可能です。就寝定員は 4 人です。トレーラーは「けん引免許」が必要だと思われることが多いですが、トレーラ ーのみの重量が”750kg 以下”であれば、普通自動車免許で引っ張ることができます。維持費は年間約 3 万円ほどと、比較的安価に運用することができるのも嬉しい点で す。
キャンピングカーレンタル
一見すると、利用のハードルが高そうな「キャンピングカーレンタル」ですが、ほとんどの場合「普通免許」で運転することができますし、通常のレンタカーと同じよ うな感覚で手軽に借りることができます。「忙しくてなかなか家族と旅行に行くことができない・・・」という方でも、快適な車中泊が可能なので、ふらっと旅に出るこ とができますよ。ショップによって料金体系やサービスは様々で、無料でナビや寝袋、車中泊等で必要となりそうなグッズの貸出しを行なっている場合もあれば、全て 有料オプションとなる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。また、ハイシーズンの予約は混み合うことが多いので、早めに予約状況をショップに確認し ておくことをオススメします。
まとめ
たくさん種類があるキャンピングカー。どのタイプにも長所、短所があり、購入するとなるとしっかりとした下調べや、多くの判断材料が必要となってきます。もちろ んインターネットで収集した情報も大いに役立ちますが、実際にキャンピングカーに乗って、乗り心地、快適性、肌感覚など、自身のニーズとマッチするかの見極めが 重要になってきます。そんな状況で手っ取り早いのが実際にキャンピングカーをレンタルして旅に出てしまうということ。もちろん購入を考えていなくても、レンタル して乗ってみるとキャンピングカーの魅力にどっぷり取り憑かれてしまい、毎月のように旅に出てしまうかもしれません。それほど魅力が詰まった乗り物なのです。